中村憲吉
なかむら けんきち

- 明治22年(1889)~昭和9年(1934)

- 歌人

- 広島県
地元の県立三次中学、鹿児島の第七高校造士館から東大に進む。高校時代から伊藤佐千夫に師事して短歌の道に入り、「アララギ」同人となる。
卒業後しばらく家業に就いた後、大阪毎日新聞の経済部記者になる。大正一五年、再び帰郷し家督を継ぐが、やがて胸を患う。県南で転地療養を始める。昭和八年の暮れ、五日市から尾道に移ってきたが、翌年五五歳で亡くなった。
生涯の大半を山間の村で過ごし、周囲の自然と人々の暮らしを歌い続けた。作風は写実的で、繊細、かつ重厚であると評される。歌集に「しがらみ」「軽雷集」などがある。