あんどう つぐお
東京帝大経済学部卒。在学中から加藤楸邨に俳句を学ぶ。戦後『コスモス』に参加して詩作。25年、第一詩集「六月のみどりの夜わ」を刊行。翌年第二詩集「蘭」を刊行し、戦後詩人として独自の領域を確立した。以後フランス現代文学の翻訳や多くの評論を執筆。30年代から日本の古典文学や詩論、美術論などつぎつぎと発表。一方、評論も詩とは表裏不可分の表現行為だとして盛んに書く。蕪村・芭蕉・ボードレール・ランボオ論を収めた37年の「澱河歌の周辺」は読売文学賞受賞。その後の「芭蕉七部集評釈」は代表的な評論である。「安東次男著作集」全8巻がある。近著「安東次男句集」で第十二回詩歌文学館賞受賞。