よねかわ まさお
高梁中学時代から、『文章世界』に投書をはじめ、投書仲間に岡山の内田百閒や津山の矢野峰人がいた。百閒とは琴の縁も重なり、のち親交を結ぶ。東京外国語学校露文科に進み、在学中に『露西亜文学』を創刊。大正末年には翻訳家として名を成すにいたった。
戦後は早稲田大学教授や日ソ親善協会理事などもつとめる一方で、精力的にロシア文学の紹介に取り組んだ。「トルストイ全集」「ドストエーフスキイ全集」をはじめ、「初恋」「戦争と平和」など名著を著した。ロシア文学翻訳では世界的に質量とも最高と評価される。
趣味の琴は素人芸を超え、内田百閒ら文人らと「桑原会」をつくり演奏会を開催したこともある。